リアルな音とは

そうえいば最近とある用事で楽器屋に行った時、店長が客に対して説明していたのが耳に入った。

店長「確かにこれはピアノですけれど、所詮は電子音です。」

電子ピアノ?クラビノーヴァ?か何かの説明らしげ。
昔ピアノをやっていたというその50くらいの♀とその旦那さん。子供も大分大きくなり、この歳になってまたやってみたいと思い足を運んだのだろうか。しかし昔やっていたピアノは現実問題高いし大きいし置けないので電子ピアノという事らしい。ピアノと電子ピアノの違いの話をしていたから多分そうだと思う。
店長曰く、昔に比べれば確かに本物っぽい感覚に近いけれど、それでもこれはやっぱりピアノではない、っと熱く語っていました。確かに本物のピアノはそれこそあの大きな本体の中に鍵盤が並んでいて、それをノックする事により出される生の音。正確には一つの鍵を押すと、一つの音が出るんではなく、同時に付近の音も共鳴したりしているから、それを再現しようだなんて不可能だ!らしい…。確かにそうリアルにイメージすると、シンセやら電子ピアノで再現できるははずが無いなって思う。
僕もシンセを触っているとそう思える時があるのでとても共感してしまった。
ハーモニカの音を選択したとして、そこで出せる音は確かにハーモニカだけれど、その音はハーモニカには出せない。なぜならばハーモニカ吹く時は、これまたやっぱり、吹くはずの音以外の隣の音も息が漏れて微妙に出たりして、逆にその不正確さが良い味を出したりする楽器だから。
ギターにしたってそう。ギターの音に聴こえない。これもやっぱり音出しながらも共鳴して音が混ざるから良いんだなって。
弾く時だってコード弾きだとピアノのように全部同時に音を出しているわけではなく、上からだったり下からだったりの時間差のジャランな響きをシンセで再現するなんてとても困難。
鍵盤の押し具合で打楽器の強弱を再現するだなんて、いっくら技術者があれこれ考えたって本物通りな強弱音の具合に比例するとはとても思えない。
っとまぁ結局その夫婦がそれを買ったのかどうかはしらないけれど、こんなに書いたりしている僕が目指すのはキーボーダーだったりするのであります…。